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Back Stage :
〜旅の途上で出逢った事・想った事〜
台風3号の影響で、嵐の「七夕コンサート」になってしまった。それにもかかわらず、強い雨に濡れながら駆けつけてくれた人たちに、感謝したい。 30年ぶりに、フォークシンガーとして活動を再開して、早8カ月と数日。自分のイメージを、思うようには実現出来ない力の足り無さに苛立ち、自分と客との、心の隙間を埋める戦いにも、いつ終わるとも知れない絶望感を味わいながら、何とか歌い続けてきた。 でも、ボクにとって「渋谷アピア」という実験室を持てたことは、とても幸せなことだったのかもしれない。この場所でだったら、本来の自分自身をさらけ出すことが出来る。 毎回、選曲には神経を使う。季節季節の雰囲気と、その時の自分の心の動きを素直に表現していきたい。 「夢、そして風の間に間に…」は、歌う度に、込める想いが変わっていく。創ったばかりの頃はストレートだった表現も、歌い重ねていく内に、細部の輪郭まで目が行き届くようになり、より繊細な感情表現となってゆく。 「花」は喜納昌吉の作品で、未来へ、必ず歌いつがれて行く名曲だ。大好きな歌だ。 そして、6月の「今月の詩」に載せた「一期一会」。自分がもう一度「歌」にたどり着くまでの軌跡を、形にしてみたかった。 今回初公開の曲は「夕陽が笑ってる」。昨年の秋に創った演歌だが、今日まで歌う機会が無かった。最近は女性が強くなってきたので、男としての心意気を表現出来る場面が少なくなって来た。それは、少しだけ寂しく思うのだけれど、男ってやつは、単純で、ばかばかしいものなのだ。だから演歌の題材として、成り立つのだ。 本編最後の曲、「恋のオ・マ・ケ」を歌い終えた時、アンコールの手拍子が起こった。ヒョイと客席の最前列を見ると、スキンヘッドの髭男「植木屋ケンちゃん」の姿が目に飛び込んで来た。ケンちゃんは「T行く行くUやって〜」と叫んでいた。その時は何を言っているのか分からず、アンコール曲として歌ったのは、京都の友人、岩井雅実の作品「LOVE SONG が生まれるように…」だった。
打ち上げで、ケンちゃんに「さっき、何を叫んでいたの?」と聞くと、「ほらほら、ベッドで行く行くってやつ」と言う。「はははっ、そうかあの曲か〜」と納得。 飲み屋の外はどしゃぶりの雨、ケンちゃんとも話は尽きず、今夜はケンちゃん宅に世話になることを決め込む。最寄り駅のタクシー乗り場で、入れ墨のやくざのお兄さんと、ちょっとトラブルがあった。突っかかっていこうとするケンちゃんの腕を引っ張り、無理矢理タクシーに押し込み退散。事なきを得た。 生きていると、いろんな事がある。こんな、どしゃぶりの嵐の夜、歌を歌い、酒を飲み、語り合い、やくざと喧嘩して、ずぶ濡れになっている。男ってえ奴は、本当にばかばかしい生き物だ。でも、それもまた、とっても楽しいことなんだな…。 [演奏曲目]
1. 夢、そして風の間に間に… 以上
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